味覚障害
味覚障害とは、食べ物の味を正しく完治できない状態です。味に対して鈍感になるケースだけでなく、違った味に感じたり、何を食べても同じ味に感じてしまうケースも含まれます。比較的若い方によく見られる障害です。
味覚障害の原因は、亜鉛不足、口の中の感染や乾燥、アレルギー性鼻炎や鼻づまりによる風味障害、糖尿病や腎臓病の合併症、ストレスによる心因性、薬の副作用など多数あります。
症状
・食べ物の味がうすい、感じられない
・同じものを食べたのに、いつも感じている味と違う
・特定の味(甘さ、辛さなど)だけ感じられない
・口の中がいつも苦い、塩辛い など
治療法
口や鼻を診察し、異常がないかを確認します。異常があった場合は、その治療を行います。
異常がない場合は、血液検査で亜鉛を測定し、低下している場合には補充を行います。亜鉛などの微量金属元素の不足が、味覚障害の発症に関与していることが分かってきています。
近年は、食品の加工の際に亜鉛が取り除かれることが多いそうです。普段から亜鉛を意識的に摂取することが、味覚障害の予防にもなります。
口内炎
舌、唇、頬の粘膜、歯ぐきなど、口腔内に生じる炎症です。
原因としては、ウイルス・細菌・カビの感染、疲労やストレス、偏った食事による栄養不足、虫歯や義歯の刺激などです。通常は2週間程度で治りますが、何週間も治らない場合には、口腔がんを疑う必要があります。
症状
白っぽい斑点やただれ、痛みが生じます。ウイルス性の口内炎の場合には、発熱を伴うこともあります。
治療法
炎症を抑える軟膏の使用などで、比較的短期間で治癒します。その他、口内炎の原因に応じて、抗炎症剤、抗ウイルス薬、抗菌薬などを使用することもあります。
なお、“口内炎らしきもの” が口腔がんである可能性は高くありませんが、患者様ご自身の目だけで判断するのは困難です。口内炎が2週間以上経過しても治らない場合には、一度ご相談ください。
口腔がん
舌、歯ぐき、頬の粘膜など、口腔に生じるがんの総称が、「口腔がん」です。
舌がん、歯肉がん、口腔底がん、頬粘膜がん などがあります。
命にかかわる病気であると同時に、日常生活にも大きく影響する病気でもあります。ご自身でときどきお口の中を観察することで、早期の発見が可能です。
症状
以下のような症状がないか、ご自身で確認したり、ご家族に見てもらってください。
・何週間も口内炎が治らない
・噛んで傷ついたところが治らない
・抜歯したところがずっと腫れている
・粘膜のただれが治らない
・硬いしこりがある
・すぐに出血するところがある
・白いかさぶたのようなものがある
・食べ物を飲み込むときに痛みがある
治療法
口腔がんは、基本的に手術療法となります。早期のものであれば部分的な切除のみで可能ですが、進行した場合は拡大切除と別の組織を移植する大きな手術が必要となります。また、首のリンパ節に転移している場合には、首のリンパ節を切除する手術が必要になります。再発リスクを減らすために、手術後には化学療法や放射線療法が行われることがあります。
舌がん
舌がんは、口腔がんの中でも代表的ながんと言えます。口腔がんの半数以上を、舌がんが占めています。
症状
舌の側面、裏側に、粘膜の異常(赤くなる、白くなる、デコボコ、潰瘍)が生じます。
舌の表側にがんができるケースは稀です。
治療法
原則として手術療法となります。この場合、切除する範囲は、取り残しを防ぐため、がんそのものより大きくなります。
大きく切除するほど、食べる・飲む・喋るといった行為への影響が大きくなります。